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石鹸の歴史

 


 

 

石鹸の誕生は、紀元前2800年頃、今から5000年前にさかのぼります。

古代ローマの始めのころ、サポー(Sapo)という丘にある祭壇で、
偶然に石鹸の祖先が誕生しました。

当時、サポーの神殿では、羊を焼いて神の供物とする風習がありました。
この時、したたり落ちた油(脂肪)が燃料の木の灰に染み込み自然に石鹸のような物が誕生しました。偶然にも木の灰が、脂肪を熱するアルカリ剤の役割を果たしたのです。

この汚れを落とす不思議な土は珍重され、現在の石鹸を指す「ソープ sorp」「シャボンsabão」という言葉も「サポー sapo」が元になったと考えられています。

またほぼ同じ時期に古代オリエントでも、医薬品として石鹸の元が作られていました。木の灰と様々な油を煮て作るという製法で、サポーの丘で生まれた石鹸と同じような成分だったと考えられます。

この点に関しては、当時の最先端技術を持つシュメール人が記した記録粘土板にが残っています。メソポタミア文明を築いたと言われているシュメール人は、木灰に様々な油を混ぜて煮たもので、塗り薬や織布の漂白洗浄に使用していたようです。

5000年前、といえば古代オリエント文明や中国四千年の歴史の始まりにあたります。
石鹸とはそれほど昔から存在していたことになります。

世界三大美女の一人、クレオパトラの時代には、
まだ石鹸はありませんでした。

クレオパトラのお風呂好きと、ミルク風呂がお気に入りだったということは、
あまりにも有名ですが・・・
石鹸の楽しみを知ることのなかった彼女が気の毒で、気の毒で。

「石鹸後」に生まれたわが身の幸運を天に感謝したくなったりします。

さて、石鹸が日本に伝来したのは、安土桃山時代、天文12(1543~96)年頃までに渡来したポルトガル船やスペイン船によるとされています。 
当時は洗浄用としてではなく、薬用として貴重品だったようです。

その頃、日本では洗濯や手洗いには植物灰の灰汁(あく)が主に使われていました。桶に水と灰汁を満たし、そこから滴る水が石鹸代わりだったようです。
他にも米の研ぎ汁・米ぬか・海草の煮汁・無患子(むくろじ)や皁莢(サイカチ)の果皮を煎じた液・小豆の粉を溶いた物・人の尿…など各地方ごとに様々なものを石鹸として使っていました。
農耕民族である日本人は動物を焼くという事があまり無く、油脂をアルカリ化させる石鹸製造法は発見されにくかったと思われます。しかし上記の物はどれも天然の界面活性成分を含み、アルカリ性なので皮脂や汚れを綺麗に落とす事が出来たのだと考えられます。

それから時は流れ、固形石鹸の製造は、石鹸がはじめて日本に入ってきてから300年あまり経った、明治6(1873)年。苦労の末、堤磯右衛門が日本初の石鹸製造に成功しました。
神奈川県横浜市南区には「石鹸工場発祥の地」の銘板があります。

庶民も洗顔や入浴、洗濯などに石鹸を使用するようになるのは、明治後半になってからのことです。